2011年4月5日火曜日

生と死の医療現場で考えさせられたこと 14

危機の中で祈る

東日本震災の被害の大きさに息をのむばかりです。危機的状況です。これからも次々と報道で被災者の苦しみ、問題、課題が明らかにされ、その情報が押し寄せてくるでしょう。

ひさしぶりに数日前に病気と障がいをもって施設に入所されている単身者の知人からメールをもらいました。多くの重荷を背負って生きておられる方です。しかし、今回は、津波・地震・原発事故で被災された人々のことばかり書かれていました。

震災後すぐ、福島原発事故の現場作業リーダーがパプテスト教会の信者で、知人の知人から「必死の祈り」を依頼され、自分も毎日「必死に祈っている」と書かれていました。原発事故現場で作業にあたる人々が放射能の危険から守られ、放射能の流出が食い止められるようにということです。

それだけではありません。カトリック信者としてイエズス会鎌倉黙想の家の英神父さんの呼びかけのノベナ、三つの意向で祈っている毎日ということでした。

このメールを見て私自身と、私たちの共同体が「情けない」と思わされているところです。この方にくらべ、あまりにも反応が鈍いように思います。私たち日本人一人ひとりが、共同体が狭い考え方や思いから脱け出るように神さまから語りかけられているようにおもいます。

10年間、「いのち」の危機にある人々とばかり毎日関わってきました。危機にある人と、その家族の苦しみと問題は大きすぎて、すぐに言葉化できず、情報も伝わりにくいことが、しばしばです。そのことを思い起こしながら小さな祈りを作ってみました。

・地震・津波の被災者のために

あわれみ深い神さま、
東日本震災であまりにも多くの人々が大切な人を失いました。今も避難生活を多くの人々が余儀なくされています。どうか彼らの言葉にならないほどの数々の悲しみ、欠乏や不自由、困難と不安を少しでもやわらげてください。イエスとあなたの母、あなたの多くの兄弟たちはすでに彼らのために祈り、働いておられます。私たちも一緒に祈り、働くものとさせてください。支援する人々もあなたによってどうか守られますように。
主イエス・キリストによって アーメン

・原発事故で苦しむ人々のために

いつくしみ深い神さま
この度の原発事故で、今あまりに多くの人々が放射能の危険にさらされています。危険地域からの避難と移住を余儀なくされるだけでなく、避難すらできない人々も少なくありません。どうか彼らを助けてください、どうか守ってください。事故の対応に働くすべての人々も放射能の危険から守ってください。数々の危険の中で働く方々の必死の努力が報われますように。私たちにもこの危機的状況にできることを気づかせてください。
主イエスキリストによって アーメン

・家族が行方不明の人々のために

すべての人々の父である神さま、
いまだ、この震災で、一万五千人以上の人々が行方不明、あるいは安否不明です、家族の方々の心配、言葉にならないこの思いをかえりみてください。どうか彼らの心配、思いに寄り添ってください。必死に家族を探す人々を助けてください。私たちも彼らのために祈ります。少しでも多くの人々が無事でありますように。
主イエス・キリストによって アーメン

0 件のコメント:

コメントを投稿